戦略か?サラ金CMの狙い

「ちょっと必要だったから」というような安易な気持ちでサラ金に手を出し、その数万円が雪だるま式に大きくなり、最後は返済不履行で破産へ。なかなかベタなサラ金地獄の坩堝にはまってしまった人たちの話ですが、未だにそんな悲惨な状況に陥る人がいるのが現状です。まずあんなに毎日、四六時中アコムやらプロミスやらのテレビコマーシャルが流れているのは、それほどサラ金業界が潤っているということでしょう。CM一つを作るのに出演者のギャラ含め制作費などで数百万円がかかるテレビコマーシャルです。それを幾種類も作って、何度もテレビで流している訳です。普通に考えたら凄いですよね?サラ金がどのようなCM戦略をし、利用客を増やしているのかご紹介します。


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超ポップで楽しそうなCM!

サラ金のCMって面白いものが多いですよね?きっとこれを読んでいるサラ金マニアなあなたであれば知っているであろう「は・じ・め・て・の、アコム♪」のフレーズ。筆者もこのフレーズは好きです。好きと言うか、とてもキャッチ―です。とにかく耳に残るし、なんとなく良さそうな会社だなあと思ってしまいそうになります。数年前のアイフルのテレビコマーシャルも印象に新しいですよね。あの可愛いチワワと清水章吾さんのなんとも言えない関係がとてもシュールで話題になりました。ちなみに、あのCMの影響でチワワ人気が出たらしいです。「どうする、アイフル」のフレーズも、アコムと同じようにキャッチ―でした。私たち視聴者側にとってみれば、どちらの宣伝も、サラ金の宣伝を観ているというよりは、ただの面白いCMを観ているような気分になりませんか?それがサラ金のCM戦略です。人間とは不思議なもので、何度も同じものに触れたり見たりすると、次第に慣れたり、愛着が湧いたり、好きになりますよね。男性が同じ女性に毎日会うといつの間にその女性に好意を寄せていることがあります。最初は印象の悪い人でも、だんだんと好印象へと変わっていくような感覚です。それがテレビコマーシャルのパワーです。底のない借金の海で溺死してしまう様な人々が、まさかあの様なカジュアルで親しみやすそうな宣伝をする会社のせいで生まれているとは、多くの人はそれほど意識しないのです。急な出費のせいでお金がすぐに必要になってしまった人の中には、借り入れまでに時間のかかりそうな銀行でローンを組もうとせず、アイフルのテレビコマーシャルの楽しそうな印象と、即日審査なしという簡単な借り入れの誘惑に逃げてしまいます。始めはたった数万円の借り入れだったのにも関わらず、数年後には返済総額100万円の大台を超えてしまう。「こんなはずじゃなかった」とサラ金地獄から抜け出せない人の多くが嘆きます。一見たった18%に見えた金利も、すぐに数十万の利息へと膨らんでしまう。そんな現実をサラ金は一寸も世間には見せません。それでも今もなお膨らみ続けるサラ金業界は、広告戦略が上手に活きているということでしょう。


サラ金CMの餌食になるのはどんな人たち?

先ほどまでポップでカジュアルなサラ金のCMのイメージ戦略が、客の心を掴むために良い働きをなしていることを知って頂けました。CMだけでなく新聞やウェブ広告からの親しみやすそうな宣伝も功を奏し、サラ金業界は未だ数千億円の売り上げを叩き出しています。その売り上げ、実際はほとんどが返済時の利息からのものですが、それを吸い上げる元の債務者達の多くはどんな人が多いと思いますか?生活のため、という方が3割程を占める様です。所得の低さや家庭の事情など様々でしょう。一時的に、限定的にサラ金を利用する方も結構います。こちらは主婦の割合が高い様です。確かに収入証明書や夫の署名などの面倒な手続きの必要ないサラ金ですから、少額の借り入れであれば主婦も気軽に使うのでしょう。このケースが一番みっともないでしょうが、ギャンブルのための資金にサラ金を利用する人達がいます。金に困っている人よりは、意外と安定した収入のある男性たちの割合が高い様です。パチンコや競馬など、確かに勝てると嬉しいでしょうからね。他社からのローン返済のためにサラ金を利用する人もいます。この様な状況に陥ってしまった人は、すでに世間で言う借金地獄に浸かっている場合が多いでしょう。恐ろしい。人それぞれの状況を考慮に入れるべきでしょうが、とにかくサラ金が消費者にとって身近な存在になったのは間違いありませんね。90年代からのサラ金CMの勢いはまだ止まることはなさそうです。今日もアイフルのCMは楽しげです。